「打ち子」の主な役割

  1. SNSでのメッセージ送信
    「打ち子」は、SNSを通じて被害者に対して大量のメッセージを送信していました。1人の「打ち子」が約20台のスマートフォンを使用し、複数のアカウントを操作していたとされています。
  2. 偽のプロフィール作成
    「打ち子」は、架空の人物になりすまして偽のプロフィールを作成していました。例えば、主婦が好みそうな投稿や、ブランド品を所有しているような優雅な生活を演出する投稿を行っていました。
  3. 勧誘活動
    投資や商材の購入を勧める活動を行っていました。例えば、バイナリーオプションなどの投資手法を紹介し、簡単に稼げるという誘い文句を使用していました。
  4. 組織的な活動
    「打ち子」は組織的に活動しており、「インスタ班」や「LINE班」などに分かれて役割を分担していました。
  5. 多数のアカウント管理
    一人の「打ち子」が多数のアカウントを管理していました。例えば、ある20代男性の「打ち子」は91のアカウントを任されていたとのことです。

「打ち子」の活動環境

  • 大阪市内のビルの一室が活動拠点となっていました。
  • 机の上には充電器につながれた大量のスマートフォンが並べられていました。
  • 「リーダー」と呼ばれる人物が全体を監視していました。

「打ち子」は、このような役割を果たすことで、詐欺グループの中で被害者を騙す最前線の役割を担っていたと言えます。

想定されるセキュリティ対策

  1. アカウント管理
    複数のアカウントを効率的に管理するため、特殊なアプリやツールを使用していた可能性があります。これにより、アカウントの切り替えや管理を容易にし、同時に不正アクセスのリスクを軽減していたと考えられます。
  2. VPNの使用
    IPアドレスを隠蔽し、位置情報を偽装するためにVPN(仮想プライベートネットワーク)を使用していた可能性があります。これにより、実際の所在地を隠し、追跡を困難にする効果があります。
  3. 端末の暗号化
    スマートフォンのデータを暗号化し、万が一押収された場合でも情報漏洩を防ぐ対策を取っていた可能性があります。
  4. リモートワイプ機能
    緊急時にスマートフォンのデータを遠隔で消去できる機能を設定していた可能性があります。これにより、捜査機関に押収された場合でも、重要な情報を保護することができます。
  5. 定期的なデータ消去
    定期的にスマートフォン内のデータを消去し、証拠を残さないようにしていた可能性があります。
  6. セキュリティアプリの使用
    マルウェア対策やフィッシング対策のセキュリティアプリを導入し、スマートフォンの安全性を高めていた可能性があります。
  7. アカウント凍結対策
    SNSアカウントが凍結されるのを防ぐため、特定の操作や投稿パターンを避けるなどの対策マニュアルが存在していた可能性があります[2]。

これらの対策は、詐欺グループが長期間にわたって活動を続けるために重要だったと考えられます。しかし、具体的な対策の詳細については公開されていないため、あくまで推測の域を出ません。

最終的に、大阪府警の捜査により約2600台のスマートフォンが押収されたことから、グループのセキュリティ対策にも限界があったことがわかります。