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近年、日本の政治シーンに躍り出た参政党が2025年7月の参院選で14議席を獲得し、大きく躍進しました。しかし、選挙中に掲げていた「ブレない政党」というイメージとは裏腹に、投票翌日から公約との相違点が次々と浮き彫りになり、メディアからの厳しい検証が始まっています。「日本人ファースト」を掲げて当選したにもかかわらず、選挙後の発言で矛盾が生じ、ネット上でも批判が相次いでいる現状を徹底解説します。

選挙直後に始まった公約との齟齬
参政党は「日本人ファースト」と「積極財政の押し出し」を二本柱に掲げて選挙戦を戦い勝利しました。しかし、選挙終了直後から神谷宗幣代表らの発言が選挙中の主張と異なるとして注目を集めることになりました。この急変は支持者にも戸惑いを与え、「ブレない政党」というイメージに疑問符が付く結果となっています。

「外国人特権」はどこへ?急転する主張
選挙期間中、参政党の候補者らは「日本人が差別され続けてきた」「外国人が優遇されていく中で、私たち日本人はどんどん貧しくなっていった」と訴え、外国人が日本で優遇されていると強調していました。東京選挙区で当選したさや氏もこうした主張を繰り返していました。
しかし、開票センターでのインタビューで神谷代表は「外国人に特権はあるか」という質問に対し、「外国人に特権…、特に日本では無いんじゃないですか」と回答。選挙期間中の主張と矛盾する発言をし、多くの驚きを呼びました。
また、選挙の最優先課題として「日本人ファースト」を掲げていた神谷代表ですが、開票センターでの別のインタビューでは「どのような法案を最初に出すのか」という質問に「2020年から始まったコロナの問題」と答え、コロナ対策の検証を最初に行うとの方針を示しました。

消費税廃止方針の軌道修正
参政党の経済政策では「消費税の段階的廃止」が具体策の筆頭に掲げられており、選挙戦最終日には「消費税廃止!消費税廃止!これをやらしてください」と候補者が熱く訴えていました。
しかし、当選確実となった直後、東京選挙区で当選したさや氏は「段階的ということで、他の党とのいろんな連携も考えておりますので、そういう意味でまず下げられるものはとにかく下げるっていうところを実現していけるようにしたい」と発言。前のめりの態度を見せず、他党との協調なしには動かないという予防線を張る形になりました。

さらに翌日の街宣で神谷代表は「今メディアに出ると『今後の(他党との)連携どうします』と聞かれますが、まだ皆さん、もう少し待ってください。そういう段階にまだありません。解散総選挙に向けてチーム作ってそこでもう1回大飛躍をさせてください」と発言。消費税廃止へ向けた他党との政策調整よりも、次期衆院選へ向けた組織固めと独自色発揮を優先する意向を示唆しました。
メディアによる議員の「身体検査」開始
参政党の急激な躍進に伴い、メディアは当選議員の過去の発言や経歴の徹底的な検証を始めています。これは神谷代表自身も選挙終盤に予測していたことであり、19日のマイク納めでは次のように述べていました。
「国会の中では十分な力ではない。だから選挙終わったら大変なんですよ。集中砲火、また始まりますからね。今は私が集中砲火浴びたでしょ。今度はね、当選した20人が順番に1人ずつ全部過去洗われて全員叩かれていくんですよ。それを1個1個火消ししていかないといけない。もう目に見えてますよ。これがどんだけ大変なことか想像してください。けど、それを超えていかないと日本は変えられないんですよね」
ファクトチェックの対象となった政党
2025年参院選ではメディアによるファクトチェックが急増し、前回の選挙と比較して約5倍の記事が公開されました。ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)によるリストには182本の記事が掲載され、そのうち参政党に関するものが45件と最多でした。

検証された話題では「外国人は不起訴が多い」など外国人に関するものが59件で最多となっています。参政党の候補者からは事実と異なる統計データや誤った情報が多く発信されていたため、各メディアが検証せざるを得なかった状況が浮かび上がりました。
ファクトチェックを専門とする雑誌編集者は「メディアの考えはその通りです。当選前のポッと出の候補の問題を書いても”誰、それ?”と見向きもされないでしょうが、当選すれば税金で給料が払われるので検証には大きな意味があります。かつての国民民主や維新もそうですが1か月で(問題を伝える報道が)ボロボロ出てきてメッキはすぐ剥げた。火のないところに煙は立たない。それを得意の”陰謀論”でかわすかもしれないが、国民もそんなにバカじゃない」と指摘しています。
選挙演説と現実のギャップ
参政党は選挙期間中、「ブレない政党」として一貫した立場を取ることを強調していました。しかし、選挙後の発言からは、現実の政治状況に合わせて主張を変化させていることがうかがえます。
特に注目すべきは神谷代表の記者会見での対応です。「外国人の特権」について「特にないのではないか」と述べたことは、支持者に向けた選挙演説と大きく異なっています。また、憲法草案について候補者たちが「ちゃんと読んでないんじゃないか」と発言するなど、公約の一貫性に疑問が投げかけられています。

議員としての責任と今後の課題
神谷代表は参政党が「責任政党」になったと凱旋街宣で口にしました。今後は国会議員としての責任ある言動が求められ、選挙中の主張と実際の行動との一貫性が厳しく問われることになるでしょう。
メディアによるファクトチェックが活発化する中、参政党に限らず、すべての政党・議員は自らの発言に責任を持ち、事実に基づいた政策議論を行うことが求められています。政治家の発言は国民生活に直結する重要なものであり、「陰謀論じゃ済まされない」という指摘は、民主主義社会において極めて重要な意味を持つと言えるでしょう。
参政党躍進の意味と今後の展望
参政党の躍進は日本の政治に新たな風を吹き込むものとして注目されています。しかし、選挙後の急速な公約の変化は、有権者からの信頼を損なう可能性もあります。
政治学者の中林美恵子氏は神谷代表の発言について「みんなから言われてることなんで、なんて陳腐なことおっしゃるんだろう」と失笑したと伝えられています。既存政党への不満から支持を集めた参政党ですが、当選後は「ブレない政党」という自らの看板を守れるのか、厳しい試練に直面しています。
参政党の躍進とその後の展開は、日本の民主主義において重要な局面を示しています。選挙期間中の主張と当選後の言動のギャップは、政治家の言葉の重みと責任を問い直す機会となっています。今後、参政党が公約をどのように実現していくのか、また「ブレない政党」としての一貫性をどう保っていくのか、注目が集まっています。
有権者は政治家の言葉を単に受け入れるのではなく、事実に基づいて検証し、冷静に判断する姿勢が求められるでしょう。2025年参院選を通じて活発化したメディアのファクトチェックは、民主主義の健全な発展のために重要な役割を果たしていると言えます。